朝井リョウ『何者』を読みました。
心当たりがありすぎて読んでて旨が締め付けられるようでした。
就活とTwitterのあれこれの話ですが、朝井リョウさんは「あるある」の書き方がうまくって読みながら泣きそうでした。



あとがきで「『何者』という小説の魅力は、主人公の立場で感情移入し、安全な場所で傍観していた読書が、いきなり当事者になり変わるところだろう」と書かれています。
もう、まさに、これ!
このあとがきがすべてでした。

現代の就活とTwitterがメインの話なので、アラサー世代のわたしは読んでてしっくりくるけど、いまの就活生もまだギリで共感できるのかな。いまだとLINEも使われてると思うけど、この小説のときはまだメールです。

Twitter使ったことない人はポカンとなるだろうし、いまの就活(いわゆるESやウェブテスト、グループディスカッション等)を経験してない人もピンとこないであろう小説だけど、全部体験してるわたしとしては胸が苦しい!就活こわい!

わたしは就活のときTwitterまだ使っておらず、使い出したのは就活終わって卒論を書き始めた時期でした。
就活のときTwitter使ってなくて本当に良かったと心から思います…。
もしTwitterしてたらいらんこと検索しまくってその度に落ち込んでいただろうな。

いや、でもわたしが就活してたときはもちろんインターネットはあったので、ブログやmixiを見ていました。
就活してる人のがんばっている様子や内定決まった情報を入手するたびに、素直に喜んであげられなくて、落ちた人を見ては内心喜んで、自己嫌悪で本当につらかったな。

『何者』の中で、Twitterのサブアカをメアドで検索するシーンがあるんですが、そこは読みながら背筋が凍りました。
そういうことをやっている姿は小説の中の登場人物でさえ惨めに見えます。
そしてわたしも定期的にやっていた…。
いまはLINEなのでメアド知らない人が多いからやらなくなりました。ありがとうLINE。

Twitterに関しては実はわたしもサブアカを持っていた時期があった…。
前職を止める直前から、次の仕事が始まるまでの短い間でしたが、それはもう暗かった!
本アカでつぶやいても良かったんですが、知り合いもいっぱい見ているし、あまりにも暗かったから「わたしのつぶやきは毒だ…」と落ち込んでつぶやきづらくなっていました。
だけど結局何かつぶやかずにはいられなくて、暗いサブアカでぶつぶつ言っていたなぁ。
もうそのアカウントはありませんよ。

主人公が、かつての友人ががんばる姿を応援するのではなく、それが悪く言われているネット情報を見て安心する様子なんか、もう身につまされますね。
本当にすみません(土下座)。

主人公が仲良くしている先輩が「選ばれなかった言葉のほうがきっと、よっぽどその人のことを表しているんだと思う」って言ってて、わたしはウッと苦しくなりました。本当にそうですよね。
わたしはすぐにTwitterやFacebookに記載された言葉に惑わされて人を一括りにして判断してしまうけど、そんなに人って簡単に分類できるものじゃないよね。

「想像力」という言葉がこの小説のキーワードで、自分の「想像力」のなさに愕然とさせられました。
わたしもいつだって「何者」かになりたくてたまらないし、だけど人と自分を比べて、人を見下したって結局自分が動かなきゃ「何者」にもなれない。

定期的に読み返して、猛省します。


コメント

    コメントの投稿

    (コメントの編集・削除時に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)



    最新記事